日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【なにを見て回復と判断する?】肺炎における離床の攻めどき

肺炎の患者さんでも離床は大切!

確かに大切ですが、ひと昔前は患者さんが肺炎になると「離床は中止」が当たり前であったように、肺炎は重症化すれば命に係わる重症な病態です。

そんな肺炎患者さんの離床に関するクイズを出題。
是非、解いてみてください!

Q.
離床を検討する際には“病勢”の見極めが重要です。
皆さんはどのパラメーターを見て、肺炎が改善傾向と判断していますか?1つ以上挙げてみてください。

A.
着目ポイントとしては吸入酸素濃度(FIO2)です。

一般に、FIO2 を0.6未満に下げても、呼吸状態が維持できれいれば、重症ではないといえるため、離床を検討する目安になります。
その他、体温が解熱傾向で経過している、胸部レントゲンの浸潤影が改善傾向、血液データにおいてWBC・CRPが改善傾向など、炎症のパラメーターもチェックポイントとなります。

また、腎機能(BUN・クレアチニン)や肝機能(AST・ALTなど)もチェックしましょう。

肺炎患者さんがその他の臓器障害(多臓器不全)となると、予後悪化につながるリスクがあるため、積極的な離床は控えた方がよい可能性があります。

皆さんはいくつパラメーターを挙げられましたでしょうか?

肺炎の患者さんでも、みるべきポイントを明確にして、離床の開始が遅くならないように、かつ、リスクも最小限にできるよう、日々の臨床で意識してみてください。