日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【学術大会演題発表のQ&A大公開】

先日行われた、日本離床学会 第11回 全国研修会・学術大会での一般演題発表の発表動画を公開し、皆さまから質問・コメントを募集しました。

その質問・コメントについて、発表者からの回答がありましたのでシェアいたします。

臨床的な質問と回答で、とても参考になるので、是非、ご覧ください。

演題名:多職種カンファレンスによる役割の明確化が自宅退院を円滑にすすめた1症例

【質問・意見】

1

多職種カンファレンスを通して役割が明確化・・・とありますが,それぞれの専門職の関わりかと思います.多職種カンファレンスを行ったことで,専門職としての役割以上の役割が得られたのでしょうか?発表からは,通常のカンファレンスとの違いがわからなかったので,通常行われているカンファレンスとの違いをお聞かせください.

回答:ご質問ありがとうございます。

当院ではリハ施行症例に対して月1回のリハカンファレンスを行っておりますが、今回のように転棟時や全身状態の悪化に伴って集まることがありません。そのため、必要な情報を必要な時に伝えることができないことがありました。今回のケースのように転棟時や全身状態が変化した際に一同が集まれたことは、意思統一を図る上で重要だと感じました。

2

多職種によるカンファレンスについては、開催するメリットが大きく、報告も多いことと思います。今回の発表を聞いて、特に第1回目のICU内カンファレンスに、転棟先の病棟スタッフが参加するシステムはとても有効的だと思いました。(通常の申し送りではなく、多職種が参加することが情報の伝達や継続に大切だと思います。) 実際に、この症例以外にも、ICUに他病棟のスタッフがカンファレンスに来ることは、続けられているのでしょうか?

回答:ご質問ありがとうございます。

当院では今年4月にICUが閉棟となり、一般病棟のみとなっています。転棟に伴う申し送りの必要性がなくなったため他病棟スタッフがカンファレンスに参加することはなくなりました。しかしながら一般病棟から包括病棟への転棟等はありますので、今後も必要に応じて病棟スタッフに働きかけていきたいと思っております。

3

今回、カンファレンスを繰り返すことの重要性について発表されていると思いますが、ICU内で他病棟のスタッフを入れたカンファレンスを始める場合、スタートのしかたも重要かと思います。 もし、他施設で導入するなら、どのように始めることが成功の鍵となるか知りたいです。 例えば、Drを巻き込み始める。もしくは、ICU病棟全体でルーチン化するなど、アドバイス(考え方)を教示ください。

回答:ご質問ありがとうございます。

本症例のようにリスクの高い症例に対して行うのは有用かと思いますが、ルーチン化してしまうと業務が多くなってしまう可能性もあると思われます。必要症例を見極めるICU内のスタッフ、そして病棟で必要スタッフを集めてくれるリンクナースのような方がいると行いやすいかと思うのですが、いかがでしょうか?

本症例では、がん看護専門看護師の方がリハからの意見を聞いてカンファレンスを開催してくれた経緯があります。症例を通して、病棟内に相談できる人をみつけておくことも重要だと感じました。