【問題】
80歳代男性。誤嚥性肺炎後退院し在宅療養となった。現在寝たきりによる活動量の低下によりADLに支障をきたすようになったため、ケアマネージャーより訪問の依頼が入った。
サルコペニアが示唆され、今後離床を促すための栄養や運動指導が必要である。
栄養、運動指導について誤っているものを1つ選べ。
選択肢:
- 簡易的な栄養をスクリーニングする指標として、MNA(Mini Nutritional Assessment-Short Form)がある。BMIが測定できない場合は上腕の周囲長で代用可能である
- 筋肉量や筋力の低下をサルコペニア、特に加齢以外の原因がないものを原発性サルコペニアと分類される。原発性サルコペニアでは筋線維数の減少や、遅筋線維の速筋化を認める
- 身体活動の強さの指標としてメッツ(metabolic equivalents:Mets)を用いる。これは安静座位時の酸素消費量(3.5ml/kg/min)で割った数値である
- 臥床状態が続く患者さんでは脂肪で体重が増加しやすい。そのため廃用予防に、身支度(歯磨き、着替え)や軽い階段昇降(2-3Mets)を併用すると良い
- エネルギー摂取量が消費量を上回る状態が続き栄養不良になることを飢餓という。飢餓で除脂肪体重の30~40%を失うと、餓死にいたるため、離床レベルが過負荷にならないよう注意が必要である
【回答】
正解 1
解説
MNA®-SF(Mini Nutritional Assessment-Short Form・簡易栄養状態評価表)は、65歳以上の高齢者の栄養状態を簡単に評価するためのスケールです。6項目について問診し、合計点数で評価します。BMIが算出できない場合は、上腕ではなく、下腿周径で代用することが可能です。