日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

離床学会資格認定試験問題①

【問題】

心不全で入院の80歳女性。外来で通院時は心房細動(AF)の既往があった患者。昨日まで心房性期外収縮(PAC)が2~3回/分で管理されている。利尿剤のコントロールにより尿量が増加して心不全改善傾向のため、本日より端座位の許可が出た。ヘッドアップ時の反応で、端座位を行うべきでないものを1つ選べ。

選択肢:

  1. 橈骨動脈を触診したところ、ヘッドアップ前と変わらず弱いながら拍動を認めた
  2. 胸式呼吸が腹式呼吸になった
  3. 心電図を見るとPACが4~5回/分出現していた
  4. 手足はやや冷感はあるも湿潤はなし、顔色に変化はなし
  5. ヘッドアップ時に問診すると、ふわふわするといった訴えと共に、軽い息切れを認めた

【回答】

正解 5

解説

  1. 橈骨動脈の拍動が触知されていることで、血圧はある程度保たれていると予測される。
  2. ヘッドアップにより腹部臓器が下にさがり、腹式呼吸になったことは呼吸に有利な姿勢になったと考えられる。
  3. 心房性期外収縮(PAC)の出現により離床を中止する必要はないと考える。
  4. 手足の冷感はあるが湿潤と顔色の変化はないので、重症の循環不全の状態ではないと考えられる。
  5. ふわふわするという訴えから、起立性低血圧の症状が考えられるため、これ以上離床レベルを上げずに、注意深くアセスメントするべき。