【問題】
心不全で入院の80歳女性。外来で通院時は心房細動(AF)の既往があった患者。昨日まで心房性期外収縮(PAC)が2~3回/分で管理されている。利尿剤のコントロールにより尿量が増加して心不全改善傾向のため、本日より端座位の許可が出た。ヘッドアップ時の反応で、端座位を行うべきでないものを1つ選べ。
選択肢:
- 橈骨動脈を触診したところ、ヘッドアップ前と変わらず弱いながら拍動を認めた
- 胸式呼吸が腹式呼吸になった
- 心電図を見るとPACが4~5回/分出現していた
- 手足はやや冷感はあるも湿潤はなし、顔色に変化はなし
- ヘッドアップ時に問診すると、ふわふわするといった訴えと共に、軽い息切れを認めた
【回答】
正解 5
解説
- 橈骨動脈の拍動が触知されていることで、血圧はある程度保たれていると予測される。
- ヘッドアップにより腹部臓器が下にさがり、腹式呼吸になったことは呼吸に有利な姿勢になったと考えられる。
- 心房性期外収縮(PAC)の出現により離床を中止する必要はないと考える。
- 手足の冷感はあるが湿潤と顔色の変化はないので、重症の循環不全の状態ではないと考えられる。
- ふわふわするという訴えから、起立性低血圧の症状が考えられるため、これ以上離床レベルを上げずに、注意深くアセスメントするべき。