Q
患者さんにとって食事を楽しみの一つにしてもらうためには、どのような工夫がありますか?
A
食事に四季を感じてもらう工夫が大切です。入院生活において食事が楽しみの一つとなるように工夫しましょう。
まず、食事には、① 生命維持、② 楽しみ・コミュニケーション、の2つの目的があります。
医療者として関わっていると、どうしても“生命維持”に注意が向きがちではないでしょうか。「食欲がなく摂取量が少ない」「食べることに注意が向かない」といった問題には、食形態や味付けへの工夫はよく検討されていると思います。
では“楽しみ”や“コミュニケーション”の観点から食事を見直してみるとどうでしょうか。
“皆で食べる”ことにより周囲の様子に影響されて食事への意識が向きやすくなり、また「おいしいですか」や「旬ですね」など、その食材から得られる情報を伝えることで注意が喚起されやすくなります。
その他にも、日々の食事に季節感のあるものを取り入れることで、閉ざされた環境で過ごす入院生活に四季を感じてもらい、入院生活において食事が楽しみの一つとなるように工夫すると共に、見当識を入力することで認知機能低下やせん妄予防に努めています。
2月4日には”立春”といったタイトルで春のお知らせをすると共に春に旬を迎える食材を紹介し、それらの食材を使用したメニューを提供
2月14日はバレンタインデー
愛のメッセージと共に食後にはチョコレートがついていました。
楽しみや他者とのコミュニケーションは認知機能の賦活やご本人の意思の賦活に役立ちます。 コロナ禍での行動制限はありますが、ひとつの視点として臨床の中で役立てば幸いです。
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