臨床で、「痛みが何カ月も良くならない」と慢性疼痛を訴えて、離床が進まず活動性が低下しているケースがいると思います。そんなケースに有用な、認知行動療法の中に“セルフモニタリング”というテクニックがあります。
セルフモニタリングは、認知行動療法(CBT)の重要なテクニックの一つで、自分の思考や感情、行動を意識的に観察し、記録する方法です。記録することで、自分がどんな状況でどんな反応をしているのかを理解しやすくなります。
具体的には、「病院での検査の前に緊張すると頭痛が強くなる」や、「苦手なスタッフと話す前に腰痛を感じる」などの思考と行動を記録してもらいます。これにより、どのような考えが痛みを引き起こしているのか、それがどんな行動に結びついているのかが明確になります。セルフモニタリングを続けることで、痛みがどのように発生するのか、そしてそれが自分にどんな影響を与えているのかを理解し、改善する手がかりを得ることができるのです。
セルフモニタリングの目的は、自分を責めることではなく、自分の考え方や感じ方、痛みが増強する傾向を理解することです。問題を客観的に見つめ、改善策を考える手掛かりになります。
例えば、「病院での検査の前に緊張すると頭痛が強くなる」のであれば、いつもと違う環境やスタッフが検査をして、痛みが軽くなった、ということに気が付くことができれば、痛みを改善するための手掛かりが見えてきます。痛みは離床を阻害する強い要因なので、これを軽減することができれば、離床や活動を促進する有用なテクニックと言えます。是非、試してみてください。
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