日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【ネガティブの原因は自己否定?】メンタルヘルスを改善するコツ 1

新年度になり2週間、少し新しい環境や人間関係に慣れてきたころでしょうか?

「ネガティブ思考がなかなか治らないのですが、改善するにはどうすればいいですか?」という相談が届きました。少し長いので、何回かにわけて回答したいと思います。同じように悩んでいる方は、是非、ご覧ください。

ネガティブ思考が治らない方は、無意識下で自己否定しているにも関わらず、それを理解せずに「ポジティブになろう」と努力している方が多い傾向のようです。しかし、ポジティブになろうとむやみに頑張ることは、今の感情を否定してしまうことにつながり、思考がさらにネガティブになってしまいます。ネガティブ思考を治すためには、心の内側の環境を理解・共感した上で、今までの苦労をねぎらいながら、ポジティブな問いかけをしてみるとよいでしょう。

では、なぜ人は自己否定をしてしまうのでしょうか。それは、幼少期に親などから受けたしつけや教育が関係しています。子どもは「男なら泣かずに我慢しろ」や「もっと女らしくしなさい」など、道徳的な信念を押しつけられると心の内側に「内なる親(非機能的ペアレントモード)」を形成します。道徳的信念が否定的であればあるほど、自己否定や罪悪感などが湧きやすくなってしまい、「内なる親」が自身を攻撃するようになってしまうのです。

これは、現実の親が以前よりも丸くなっていたり、すでに他界していたりしても、自己否定の強弱は変わりません。攻撃される対象は「内なる子ども(脆弱なチャイルドモード)」といい、幼少期の家庭環境から影響を受ける、感情を司る心です。辛い体験をしてきた場合はあらゆる刺激に過敏になり、内なる親や他人から傷つけられることを過度に恐れます。自己否定による辛い体験を、なんとかやり過ごそうと形成されるのが、「スキーマ(不合理的信念)」です。

スキーマは、「自分が悪いから怒られているんだ」や「いい子にしていれば許してくれる」など、幼少期には適応的に機能してくれます。しかし、一般社会に出た時にはスキーマはむしろ、自分を苦しめる要因となり、生きづらさの根源になってしまうのです。形成されたスキーマや自身をごまかすことを続けていると、本当の感情に気づけなくなってしまい、ネガティブ思考から抜け出せなくなる恐れがあります。

ネガティブ思考から脱却し、ポジティブ思考に変換するためにも、自身を客観視する思考のトレーニングや、ありのままの自分を愛し、守り、理解してくれる「理想の親(ヘルシーアダルトモード)」の形成などを進め、今までの自分を肯定することが重要です。

次回は、ヘルシーアダルトモードを形成するための、トレーニング方法について解説します。

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