日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【知っていましたか?デルタP】肺の個人差を意識した肺炎患者の離床

ここ数年、離床は、どのような対象に、どのくらい離床を行うか、という患者の「疾患背景」や「病態」を意識することが重要視されています。

肺炎に罹患した患者さんの離床で意識したいことは、肺そのものにかかる圧です。これまで、PEEPで陽圧をかけ、肺胞を極力開いておくことが良い、とされてきましたが、どの患者さんにも同じように「圧をかける」ということの弊害が、近年、指摘されてきています。

その概念が、デルタPです。デルタPは駆動圧(Driving Pressure)といい、肺の柔軟性を意識した指標です。一回換気量を肺の柔軟性を示すコンプライアンスで割った値で、喫煙者など肺がかたい患者さんでは、この値が上がります。デルタPが15 cmH20以上の患者さんは、同じPEEPがかかっていても、肺にかなりの負担がかかっていることが考えられ、肺が水浸し(肺水腫)の状態では、自発呼吸でさえも、自らの肺を破いてしまう危険があります。

肺炎患者さんの離床を検討する時には、PEEPの圧だけでなく、デルタPのような指標も併せて考え、患者さんの個人差を意識して、どこまで起こすか検討しましょう。

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