日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【高齢者に多い腸管形態異常】腸活の重要性4

腸の不調といえば、腸活って最近よく聞くけれど、何をすればいいの?と思ったことはないでしょうか。そんな方のために、腸活の重要性を連載でお届けします。第4弾は「ねじれ腸・落下腸」をお届けします。

腸が複雑に曲がりくねったり、ねじれたり、腸が通常の位置よりも下がっているなど、このような腸の形の問題を腸管形態異常と呼びます。腸管形態異常のことを、「ねじれ腸や落下腸」と呼ぶことがありますが、医学用語ではありません。今回の記事では、わかりやすいように「ねじれ腸や落下腸」と表現します。

高齢者では、腸が長くなるため(文献1)にねじれ腸になりやすいと考えられています。また、教科書的な上行結腸と下行結腸は後腹膜に固定されているのですが、全ての人が後腹膜に固定されているとは限らずに、腸間膜にぶら下がっている状態になることがあります。

さらに、男女差では女性は横行結腸が長いという報告があり(文献2)、横行結腸が下降に下がり、落下腸になりやすいとも考えられます。ねじれ腸や落下腸があると、腸は動くものの便の通過しにくい状態になると、痛みや便の性状の異常を伴い、過敏性腸症候群(IBS)になります。ねじれ腸や落下腸は、腸へのアプローチに加えて、離床、姿勢調整、腹筋のトレーニングなどトータルに介入する必要があります。

次回は「腸活の必要性」について紹介します。

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文献1 永田 浩一ほか 日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?―大腸 3D-CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討 日本消化器内視鏡学会雑誌 55(3), 435-444, 2013-03-20.