日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【身体機能だけマークすればOK?】今さら聞けないPICSの特徴2

GWの特別連載として、急性期以降に続く障害である、PICSについて学べる記事をお届けします。今回は「身体機能だけマークすればOK?」です。

昨日お知らせした通り、PICSによる問題は、身体機能障害・認知機能障害・精神機能障害の大きく3つに分けられます。身体機能障害は、筋萎縮やICU-AWといわれる、重症患者さんに起こる筋力低下があります。この身体機能障害は3つの問題の中でも早くから注目され、早期離床や鎮静管理など、対策が研究・実践されてきました。

しかし、身体機能は改善したのに、職場復帰や退院後のADLが改善しない患者さんが新たに問題となっています。それは、認知機能障害と精神機能障害が影響しているからです。認知機能障害は、記憶障害や注意障害、遂行機能障害などの症状が、精神機能障害ではPTSDやうつ状態が問題となります。実際に急性期を過ぎた患者さんでも、3か月後に79%、1年後でも71%が認知機能障害を抱えているという報告があります(文献1)。

明日はこの認知機能障害と精神機能障害にどうアプローチすべきかについてお届けするので、お楽しみに!

文献1  Timothy D Girard et al. Delirium as a predictor of long-term cognitive impairment in survivors of critical illness. Crit Care Med. 2010 Jul;38(7):1513-20.

[PICSの3つの障害に対するアプローチを学びたい方は]
5月6日(土) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
急性期患者の身体・認知・精神機能障害に対するトータルアプローチ
~三方よしに導く最新知識とベテランの実践法~
【講師】中野 秀比古 先生 新名 大介 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r163-2023#/