日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【立ち上がり介助のときに意識すべきポイント】ただ体幹を倒すだけではダメ

トイレ介助や検査への移動など、立ち上がりの介助は日々の業務に欠かせません。立ち上がりの介助は、まず患者さんの体幹を前に前傾させて、重心を臀部から足部に移動することから始まります。この時のポイントはズバリ骨盤の前傾です。立ち上がり介助の始めに患者さんの体幹を前方に傾けるときに、骨盤が後傾したまま(図左)だと、股関節伸展筋が十分働けず立ち上がりが大変になります。骨盤が十分前傾することで、股関節伸展筋が働きやすくなり、介助も楽に行うことができます。

では、骨盤が前傾した立ち上がり(右図)を実現するために、どのような介助をすれば良いと思いますか?少し考えてみてください。例えば、腋窩から肩甲帯を介助して、体幹を前方に傾けるだけではなく、少し上方に引き上げるように介助することで、骨盤の前傾を誘導できます。

それでも骨盤が前傾しない場合は、介助の手を片方は腋窩から肩甲帯、反対の手を骨盤の後ろ(仙骨)から直接骨盤を介助し、骨盤の前傾を促すことで、立ち上がりやすくなります。ただ、前傾させるだけではなく、骨盤の傾きまで意識して介助をしてみてください。

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[バイオメカニクスに基づいたADL場面での動作介助を学びたい方は]
4月9日(日) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
ADLの場面別にみたバイオメカニクスに基づく動作介助~ベテランから学ぶ極上のテクニック~
【講師】石井 慎一郎 先生
https://www.rishou.org/seminar/basic/k09-2023#/

皆様の申し込みを心よりお待ちしております。