日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【本当にみる必要があるの?】血液データと離床の関係がわかる その2

今回は、「血液データと離床って本当に関係あるの?」という、そんな疑問にお答えしたいと思います。

最近では、高齢者の筋量減少による筋力低下である「サルコペニア」が注目されていますが、サルコペニア対策として、積極的に離床や筋力トレーニングを進めることは重要です。

しかし、低栄養状態でいくらトレーニングをしても意味がなく、それどころか、逆に筋肉を減らしてしまうリスクもあるのです。低栄養状態は、血清アルブミン値が3 g/dL未満の場合に疑うことができます。血清アルブミン値が3 g/dL未満の場合には、積極的な筋力トレーニングは行わず、肺炎などの合併症予防目的の離床にとどめるのがよいと考えます。ただ、血清アルブミンは半減期が14-18日と長く、その時の状態を反映していないという問題があります。そのようなときは、半減期が1-2日と短いタンパクの指標である、レチノール結合蛋白やトランスサイレチンを参考にしましょう。レチノール結合蛋白では2.0mg/dL以下、トランスサイレチンでは10.0 mg/dL以下では、低栄養を疑うので、負荷に注意が必要です。体重や周径などで栄養状態を予測する方法もありますが、積極的な運動を行う際には、栄養データのチェックは欠かせないといえます。

次回は炎症にまつわるデータを例に、解説しますのでお楽しみに!

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