近年、早期の回復をねらった離床・リハビリテーションが広がりをみせています。離床を進めるためには、その患者さんの身体活動能力を正確に把握することが重要です。こうした評価バッテリーのひとつとして、集中治療室活動度スケール(Intensive Care Unit Mobility Scale:以下IMS)があります。IMS は、患者さんの活動レベルを表現できるだけでなく、歩行の介助量や自立度も評価することができ、非常に有用です。このIMS日本語版は、1)原本を、医療従事者1名と翻訳専門家1名が日本語に翻訳し、これを別の医療従事者が1つにまとめ日本語版IMSの原案を作成、2)この原案を集中治療に携わる医師(Dr)2名・看護師(Ns)2名・理学療法士(PT)2名・に配布し、英語原版との整合性について検討・修正、3)前述の討議をもとに逆翻訳版作成、4)逆翻訳版を原作者に送付し、不適切と思われる点を指摘、5)指摘された点について日本語版を修正、6)再び英語に逆翻訳し、原作者の指摘が無くなるまでこの作業を繰り返す、という学術的プロセスを経て、日本離床学会誌1)に公開されました。本邦でも広く使用※されることが期待されます。
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【文献】
1 曷川元: 集中治療室活動度スケール(IMS)日本語版について, 日本離床学会誌 早期離床, vol.4, p5, 2018.
※日本語版IMSにおける信頼性・妥当性の検証は、現在、翻訳を担当した研究チームにより進んでいます。