質問
CO2ナルコーシスが発生するメカニズムについては理解できましたが、何故意識障害が起こるのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
CO2ナルコーシスは慢性Ⅱ型呼吸不全の方に起こることが多く、
1.呼吸性アシドーシス
2.意識障害
3.自発呼吸の減弱
を呈する症候群と定義されています。
では、何故意識障害が起こるか?と申しますと直接の原因は一つ目のアシドーシスです。
二酸化炭素が体内に蓄積すると、H+濃度が上昇しpHが低下、アシドーシスになります。
アシドーシスは初期には吐き気・嘔吐を起こし、進行すると意識障害を引き起こします。
CO2ナルコーシスを疑う場合には、早期に換気補助(NPPVなど)を行い、意識障害を起こさないことが重要です。
CO2ナルコーシスは、慢性Ⅱ型呼吸不全患者さんに対し、高濃度酸素投与を行うと発生するケースが臨床では多く、酸素投与は慎重にする必要があります。
低酸素血症は改善すべき病態であるため、Ⅱ型呼吸不全患者さんにおいては、SpO2 90%程度をキープするように管理すると良いと思います。
CO2ナルコーシスのリスクが高い患者については、医師とSpO2低下時の対応を十分に相談してから介入を実施してください。