日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.85 PEEPの注意点

質問

閉鎖式吸引回路ではPEEP解除となるため、回路を外してはいけないとありましたが、時に外して吸引することもあります。特に外してはいけない具体的な疾患などはありますでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

閉鎖式吸引回路は、人工呼吸器装着中の方の、気道内分泌物を吸引する際、呼吸器の回路を外すことなく、吸引が行える装置です。

当初は、飛沫する分泌物の感染リスクから、医療従事者守る効果も期待されていました。現在は付加しているPEEPの効果を可能な限り妨げずに、吸引が行えるという考えにシフトしています。

PEEPをかける理由は、「肺胞の虚脱を防ぐ」、「酸素化の改善」を目的としています。PEEPの一つの目安としては10cmH20を基準とすると良いです。
10cmH20は静脈圧の正常値の最高圧ですので、それ以上を保つことで肺胞内に浸潤してくる液を、外部へ押し出すことができます。

病態しては肺胞出血や肺水腫、ARDS等、重篤な状態にある場合、PEEPの値としては10cmH20以上の圧を加えている場合、このような際には、肺胞を広げておき、少しでも酸素化を有利にしたいという、意図があります。

よって安易に回路を外して、PEEP効果を失うことは避けた方が良いでしょう。

上記のようなデメリットがあることを踏まえて、皆様の普段の臨床判断にお役立て頂ければと思います。