日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.77 カタクロット使用時の注意点

質問

くも膜下出血に対してカタクロットを使用しているのですが、この薬剤における離床での注意点を教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

離床の際に薬剤で気をつけることは主に2点あります。
1点目は薬剤の作用と副作用を知ることです。

オザグレルナトリウム(商品名:カタクロット)の作用としては、「血小板凝集」、「平滑筋収縮を抑制し微小循環を改善する」が挙げられます。

適応は、くも膜下出血後の脳血管攣縮期の他に脳梗塞急性期などです。副作用は出血です。よって、離床の際にはいつも以上に外傷に気をつけなければなりません。
出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血等、意識レベルや神経症状の変化に目を配りましょう。また、少しベッド柵に足を打っただけでも内出血を起こすので、ベッド周囲の環境調整や、離床時には細心の注意が必要ですね。

2点目はその薬剤が使用されていることで、病態並びに時期を知ることができます。くも膜下出血に対して本剤が使用されているということは、くも膜下出血後の脳血管攣縮期にあたります。離床の際には急激な血圧低下には十分に気をつけましょう。

私たちコメディカルが離床を促す際に使用されている薬剤を知ることは、様々な情報を収集しリスク管理の一助として捉えることができます。