日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.75 起立性低血圧対策に有用な方法は?

質問

起立性低血圧に有効な方法はありますか?当院では下腿や腹部に弾性包帯を巻いたりしていますが、他に何かいい方法はありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

起立性低血圧の最も多い原因は循環血液量の低下です。よって、まずは脱水症状の有無を確認します。(口腔乾燥、皮膚乾燥、尿量低下、頻脈、利尿過多など)

もし脱水が疑われれば、輸液療法の適応です。また、利尿剤が効き過ぎている場合は利尿剤の中止や減量を検討します。いずれにしても、まずは主治医と相談して下さい。

コメディカルにできる事は飲水を促し、水分摂取量を記録させる事などが重要です。起立性低血圧は循環血液量が適度に満たされていれば、特殊な場合を除いて(シャイ・ドレーガー症候群などの自律神経不全症)、基本的には数日以内に回復します。

1日に数回分けてベッドアップの時間を作ったり、段階的離床計画を図りアプローチしてみて下さい。

また、ご質問にあるような、腹帯や下肢の弾性包帯も有用です。勿論、自動運動が可能な患者さんには、足関節の運動を持続的に行う事や、深呼吸による呼吸ポンプ作用による還流を促すことも対策の1つですね。

上記方法を粘り強く行い、起立耐性の向上と安全な離床に繋げて下さい。