日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.699 【スロートレーニングはどこに効くのか】高齢者の筋力に関するQ&A

質問

スロートレーニングの利点は分かりましたが、持続的に収縮させるということは、持久力に優れる赤筋のトレーニングと考えてよいのでしょうか?加齢では瞬発力に優れる白筋が衰えると聞いたので、効果的なのか疑問に感じました。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

結論から言うと、スロートレーニングは白筋のトレーニングに有用です。ご質問にあるように、加齢により白筋(以下、速筋)が衰えるので、白筋を意識してトレーニングすることが重要です。

スロートレーニングは、持続的に筋を収縮させるので、持久力に優れる赤筋だけに効くと思われがちですが、実は、速筋にも効果的です。その理由は、ゆっくりと動くことで、持続的に遅筋が収縮し、筋肉内の血管が細くなり、筋肉への血流が少なくなります。筋肉への血流が少なくなると、筋肉は酸欠状態になり、遅筋線維だけでは動作を遂行することが難しくなってきます。すると次に、速筋線維が動員される状況になり、速筋線維を鍛えることができ、速筋のトレーニングとして効果的なのです。

バーベルやダンベルなど重たいものを使用せずとも、速筋線維が動員できる素晴らしいトレーニングがスロートレーニングです。是非、実践してみてください。

文献1) サルコペニアのメカニズムとその予防・改善のためのトレーニング 石井直方 2018