日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.691 【負担を軽減するには?】膝関節に関するQ&A

質問

変形性膝関節症の患者さんの生活指導で、関節に負担をかけないためにどのような指導をすればいいですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

関節に負担をかけない動作指導を行うためには、患者さん自身が、膝に負担にかかる動作、負担のかからない動作を理解して習得することが重要です。患者さんが膝を曲げた時と伸ばした時、どちらで痛みが強くなる傾向にあるかを本人にも理解してもらい、痛みが強くなる動作を出来るだけ避けるように指導をしていきます。

具体的に日常生活の動作や活動においては、長時間の膝屈曲姿勢や正座などを無理やり行うことは避けましょう。体重の増加や重症物の運搬などは膝の負担を大きくするため、重量物は避けて軽い荷物にしたり、荷台などを用いましょう。膝に負担をかけずに行うことができる、自転車や水中ウォーキングなどで体重を減らしましょう。階段昇降は、昇りは痛くない足を先に、降りは痛い方を先に出すよう指導し、手すりやエスカレーター、エレベーターがある場合には積極的に利用しましょう。

細かい点ですが、低い椅子やソファなどからの立ち座りも膝の負担になるため、座面が高い物に変更したり、座面を高くするためのクッションなどを用いるのも有用です。

また、痛みがない範囲でのウォーキングや運動は、筋力増加や関節の柔軟性向上維持につながり膝の負担を軽減されるため、推奨されます。運動でのポイントは、自分がどの程度動くと膝の負担になるかを把握するために、万歩計などを用いて1日に動いた量を記録します。その日や翌日に膝の痛みが強くなった場合には歩数を確認することで、自分に合った歩数を把握することができます。

ADLはもちろん、趣味や仕事についてまで、どのような状況や動作で痛みが生じるのかを細かく聴取する必要があります。また、立ち仕事であっても、長時間の場合は膝への負担が増加し、痛みを悪化させる可能性があるので、仕事内容も詳しく把握することが重要です。ADLや趣味、仕事まで総合的に、膝の負担になりそうな動作を避けられるような工夫を指導することで、1日の中での膝の負担を減らしながら活動量を維持することが大切です。

痛みが少ない生活が定着した後に、更に活動量を増やす際には、歩行量や立位時間、座位時間などどれか一つを増やすようにしましょう。そうすることで、痛みが強くなった場合に何が原因で痛みが強くなったかが判断しやすくなります。もし、痛みが強くなる、膝が腫れる、熱を有する場合には、整形外科を早めに受診することも変形性膝関節症を進行させないためにも重要です。