日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.69 浮腫の原因と鑑別方法

質問

心不全以外でも浮腫を認めますが、鑑別法を教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

浮腫の原因は心蔵由来以外にも多岐に渡り、何故、むくんでいるのか?を把握することは、治療方法や離床負荷を決める重要なポイントですね。

まず、浮腫を確認した、または疑った場合、その浮腫が「跳ね返る」のか?「陥没したまま」なのか?触診によりアセスメントします。

下腿前面などに指腹を用い5mmほどの深さで、10秒間押した時の皮膚圧痕の回復具合を評価します。

「跳ね返る」浮腫であれば、その部位の熱感を確認します。熱感があれば「炎症性の浮腫」、なければ「リンパ性の浮腫」と推測します。

「陥没したまま」で40秒程度で回復するものには、低栄養などの低アルブミン血症が疑われます。また、「陥没したまま」で40秒以上残る圧痕性浮腫には、心不全や腎不全、薬剤性などがあります。あくまでも目安ですが覚えておくと便利です。

勿論、これらの評価に加えて血液・生化学データ、尿量、飲水・食事摂取量なども評価が必要です。

浮腫の原因を見分けて安全で効果的な治療・離床量の設定が出来ると良いですね。