日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.686 【絶対に意味がない!?】間質性肺炎に対する口すぼめ呼吸

質問

間質性肺炎の患者に口すぼめ呼吸は有効ですので聞きますが、指導しない方がよいのでよろしいですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

口すぼめ呼吸は、主に呼気時に口をすぼめてゆっくりと息を吐く呼吸法であり、呼吸器疾患の患者に対して労作時の呼吸苦を軽減するためによく用いられています。

まず、口すぼめ呼吸は呼気時の気道内圧を適度に高めることで、気道の早期閉塞や虚脱を予防します。このため、慢性閉塞性疾患(COPD)や喘息のように気道閉塞を伴う閉塞性肺疾患においては、気道の流れをスムーズにし、呼吸の負担を軽減する効果が高いことが知られています。

加えて、口すぼめ呼吸は呼吸数を減らし、一回換気量を安定させることで呼吸パターンを整える役割も果たします。これによって換気効率が向上して息切れ感が和らぎ、呼吸筋への負荷も軽減されるため、呼吸困難の改善につながります。

さらに、ゆったりとした呼吸法は自律神経のバランスの調整にも役立ち、不安や緊張の緩和にもつながるとされています。

一方で、間質性肺炎のような線維化を主体とする拘束性肺疾患では、気道閉塞が主な問題ではないため、口すぼめ呼吸による気道内圧の維持効果は限定的です。

しかし、呼吸数の減少や呼吸パターンの制御による息切れ軽減という点では、間質性肺炎の患者にも一定の効果が期待でき、実際に息切れの改善が見られるケースもあります。

口すぼめ呼吸は気道閉塞を伴う閉塞性肺疾患で特に効果的ですが、間質性肺炎など拘束性肺疾患の患者に対しても呼吸状態を観察しながら適宜指導し、息切れの軽減などの効果が認められれば活用していくとよいでしょう。