日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.64 深部静脈血栓症(DVT)のある患者さんの歩行指示

質問

深部静脈血栓症(DVT)があり、Dダイマー2桁の患者さんの、歩行練習指示が主治医より出されることがあります。 その際の注意点や血圧など、どのような管理が必要でしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

Dダイマーがそのように高値の状態のときは、DVT発症している可能性を評価します。エコーやCT検査を実施した上で、確定診断となり、抗凝固療法などが施行される訳ですが、フィルターが挿入されていれば影響は少ないかもしれません。

離床時の注意点としては、歩行練習中に肺塞栓の症状が出ないか?
またその症状が出た時にすぐに対応できるかの事前準備が必要です。特に症状には気を配る必要がありますので、こまめに視診・問診・酸素飽和度のチェックを行うことが求められます。

医師の指示=歩行練習が必ず成立するわけではなく、Dダイマー高値でDVTの可能性がある場合、歩行練習を行って良いか多角的に所見を確認した上で判断し、歩行練習中も常に肺塞栓等の有害事象が起こる可能性を疑いながら、すぐに対処できるよう注意深くアセスメントをしながら介入を行ってくださいね。