日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.632 【CVPは使えない!?】循環に関するQ&A

質問

CVPは循環評価にはあまり使わないと聞いたのですが本当ですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

CVPを循環評価に使わないというよりは、CVPだけで循環血液量を評価するのは避けた方がよいということです。その理由を解説します。

中心静脈圧(CVP)は循環血液量を客観的に評価できるものですが、CVPと循環血液量には相関が低いという報告(文献)もあります。これは、CVPの測定に意味がないということではなく、CVPが循環血液量以外の要因に影響を受けるため、患者さん個々でデータのバラつきが大きいためと考えられます。

そのため、疾患・術式・投薬内容などの治療内容や、水分バランス・体重・尿量、検査データなどを含めて多角的に見ていく必要があります。特に数日で2-3kgの体重増加や、離床後に0.5mL/kg/h以下の急な尿量低下は、循環血液量の異常を疑う所見として注意が必要です。CVPは循環血液量の評価の1つとして考えて、他の所見とのバランスをみながら活用するようにしましょう。