質問
当院では深部静脈血栓症(DVT)予防のための弾性ストッキングは、褥瘡のリスクが高いという理由で使用しておりません。講義では弾性ストッキングの効果なども紹介されていましたが、このようなリスクを減らし、効果的にDVTの予防を行うために注意する点があれば教えてください。
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
弾性ストッキングは長期臥床や術後の、深部静脈血栓症予防(DVT)に用いられるツールの1つです。
DVT相対リスク減少率が中リスクの患者さんには予防効果ありとされていますが、高リスク以上の患者さんには単独使用は効果が少ないと言われています。
しかし、その効果を理解し正しく使用をすることで、忙しいメディカルスタッフの強い味方にもなってくれます。
まず褥瘡のできる原因は、長時間の過度の圧迫が考えられます。弾性ストッキングを装着する時は、局所的な過度の圧迫に注意する必要があります。
「ずり落ち」
「上端が丸まる」
「食い込み」
「めくり上がり」
「折り曲げて履く」
などの状態では局所に過度の圧迫が加わります。
このような状態は皮膚損傷や内皮障害につながりますので、ケアの際や訪室の際にチェックするよう心がけましょう。
また、ストッキングのサイズの選択が重要となるため、足首、下腿の周径を測定し、適切なストッキングを提供するように心掛けて下さい。