質問
冠動脈閉塞は左前下行枝のリスクが高いということですが、右冠動脈は特にリスクはないと考えてよいでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
右冠動脈の閉塞では房室ブロックに注意すべきです。右冠動脈は、右室のほか、洞結節や房室結節など刺激伝導系への栄養血管でもあるため、右冠動脈が閉塞するとこれらの刺激伝導がブロックされることがあります。洞結節に影響が及んだ場合は、洞性徐脈や洞停止が起こる可能性があり、房室結節に影響が及んだ場合は、房室ブロックが起こる可能性があります。
裏を返すと、急に洞性徐脈や房室ブロックが出現した時は、右冠動脈の閉塞の可能性を考え、主治医に報告をすべきと考えます。閉塞する動脈によって起こる合併症の違いを理解することは、離床のリスク管理として重要なので、是非、チェックしてみてください。
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