日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.464 【IFAとEFAの使い分けが大切!】運動学習に関するQ&A

質問

発症からの時期によって、動作学習の戦略は変える必要がありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

あります。急性期の学習初期には、Internal Focus of Attention(IFA)を多めに、動作に慣れてきた回復期など学習の進行期には、external focus of attention(EFA)を中心に戦略を組み立てるのがお勧めです。

動作学習を促すときに、言語指示はよく行われる手段ですが、言語指示はIFAとEFAの大きく二つに分類されます。IFAは「体がのけぞらないように脚を振り出しましょう」など、自分自身の身体に注意を向けさせる指示のことです。対してEFAは「床の目印に向かって脚を振り出しましょう」など、環境に対して自身の身体を動かしていくことに、注意を向ける指示をすることです。

IFAとEFAはそれぞれにメリット・デメリットがありますが、例えば脳卒中急性期では、身体を動かすことが精一杯なので、環境と身体、両方の意識を向けるEFAよりも、直接身体に対して指示をするIFAが適していると考えることができます。一方で、回復期には運動機能がある程度改善しているので、環境に対して意識を向けることで、課題をシンプルにとらえて無駄な動きが少なくなり、パフォーマンスが改善すると考えられています。IFAとEFAの特徴を知り、担当する患者さんに対してどちらが合っているのか、反応を見極めながら使い分けるようにしましょう。