日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.447 【ポイントは3つ!】疼痛の慢性化に関するQ&A

質問

痛みが慢性化する原因は,痛みの強さなのでしょうか?慢性化しない対策があれば教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

慢性化する要因には、「不動・固定化」「痛みの持続」「痛みに対する恐怖・不安」の3つが関与するといわれています。慢性疼痛とは、3ヶ月以上続き画像検査で原因が明らかでない痛みのことで、元々、原因が明らかな急性痛が持続して慢性化することもあります。

ご質問にあるように、強い痛みは持続しやすいので、早期から鎮痛剤や神経ブロックなど、疼痛コントロールをはかることは、痛みを慢性化しないために重要です。特に急性期は疼痛管理に加えて、なるべく離床や活動を促しましょう。

また「不動・固定化」に関しても、痛みが強いと離床が進まず、動かないという悪循環に陥るため、特に離床前の先行鎮痛を行い、なるべく離床・活動を促すことも対策としては有用です。「痛みに対する恐怖・不安」も慢性化に関与するとあるように、心理的な問題も関わってくるので、タッチングや声掛けなどの配慮もポイントになります。慢性疼痛に進展すると、完全な除痛は難しく、痛みと付き合い続ける生活となり、QOLの低下につながるので、痛みを慢性化させない対策をしっかり行いましょう。