質問
進行がんや末期がんの患者さんで呼吸困難を訴える場合には、離床はあまり行わない方がよいのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
排痰や呼吸苦が楽なる姿勢を優先して離床をはかりましょう。進行がんや末期がんの患者さんが呼吸困難を訴える場合には、積極的な離床は難しい時期ですが、呼吸苦に対する支援としての離床は検討することができます。
具体的には、臥床時間が長い患者さんは、数時間おきに姿勢を変えると痰が出しやすくなり、呼吸苦の改善につながることがあります。この時のポイントとして、側臥位だけではなく、ヘッドアップや前傾座位など、起きた姿勢も組み合わせることです。ヘッドアップや前傾座位のほうが、換気効率が改善し、呼吸苦の改善や排痰を促すことができる可能性があるため、患者さんの状態をアセスメントした上で検討しましょう。また、うがいをして口腔内を湿潤させることで、喀出しやすくなる患者さんもいます。
離床は全て負荷とは考えずに、患者さんの生活の質を向上させるために最善のアプローチを選択していきましょう。
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