日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.436 【離床時の息切れに関するQ&A】まずはこの3つをみる!

質問

離床時に患者さんが息切れを訴えたときに、呼吸の問題か循環の問題を見極めるお勧めの評価があれば教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

血圧、浮腫、SpO2の3点がお勧めです。それぞれ理由を解説していきます。

まず、循環の要因を疑う1 つ目の所見は「血圧低下」です。血圧計で毎回計るのがベストですが、血圧がすぐに測定できない時は、橈骨動脈を触れて、橈骨動脈が触れれば、収縮期血圧は80mmHg 以上あると判断でき、ショックではないと解釈できます。呼吸が要因の場合は、血圧低下はなく、むしろ上昇することがあります。

2つ目の浮腫の循環の要因を疑う所見で、心不全兆候の1つです。心不全では、両側性に浮腫が出現し、特に夕方下肢が浮腫むのが特徴です。

最後にSpO2 が低下していれば、呼吸の要因を疑い、低下していなければ循環の要因を疑います。ただし、心不全が重篤であり肺水腫を伴うような場合には、SpO2の低下を伴いますので注意して下さい。

息切れは離床時に患者さんが訴えることの多い症状ですが、原因によって対処が異なるので、しっかりと見極めるようにしましょう。