日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.426 【離床を継続すべきか検討できますか?】尿ケトン体に関するQ&A

質問

糖尿病がないのに、尿ケトン体陽性の方がいます。どうして尿ケトン体陽性は、積極的な運動を控えなくてはいけないのですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

ケトン体陽性の時は、効率よくエネルギーを作れない状態なので、積極的な運動は控えて、最低限の離床を継続すべき状態と考えられます。ケトン体は、脂肪をエネルギーに変えるときの燃えカスです。人間の体は、炭水化物を効率よくエネルギーにできない場合に、脂肪をエネルギー源として利用します。つまり、尿ケトン体が陽性ということは、炭水化物を効率よくエネルギーにできていない状態といえます。

この状態で運動をすると、よりいっそう脂肪をエネルギー源として利用し、ケトン体が増えます。ケトン体は酸性の物質なので、ケトン体が増えると、身体はどんどん酸性に傾いていき、なおさら身体の代謝を悪くすることになります。このような理由から、ケトン体が陽性のときは、積極的な運動は控えるなどし、チームで負荷を相談しながら離床を進めていきましょう。