日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.425 【ASTとALTの違いを説明できますか?】肝機能のデータに関するQ&A

質問

AST・ALTは肝機能の指標ということですが、ASTとALTの違いは何ですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

ASTとALTは半減期が異なるので、肝炎の急性期かどうかを予測できます。ASTとALTは、どちらも肝臓がダメージを受けたときに血中に出てくる酵素です。血中の半減期はASTが約10-20時間なのに対して、ALTは約40-50時間です。

半減期の捉え方は重要で、たとえば、急性肝炎で考えたときに、ASTが優位であれば、まだ急性期であると判断し安静臥床が重要となります。

しかし、ALT優位であれば、急性期を過ぎていると判断することができます。その際には、プロトロンビン活性などの肝臓の予備能を確認し、重症化の危険度を考慮して、離床のタイミングを検討しましょう。