質問
口呼吸になってしまう患者さんの嚥下を進めるにはどうすればいいですか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
口呼吸の患者さんは、口腔内が乾燥していないかを確認しながら嚥下を進めていきましょう。
口呼吸の患者さんに多く見られるのがドライマウスです。
口腔内の唾液量が減少して細菌やウイルスが繁殖しやすくなり、その菌やウイルスが気管に入り込んで、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。
対策としては、鼻呼吸を促しましょう。
口呼吸から鼻呼吸へと促す方法として、「咀嚼する機会を増やして咀嚼筋を鍛える」、「寝る時に口元だけマスクで隠して鼻呼吸を促す」といった方法が効果的です。
また運動としては「あいうべ体操」の実施をおすすめします。
「あいうべ体操」とは、あー、いー、うー、ベー(舌を突き出して下に伸ばす)というように、発声と舌の運動を繰り返す運動のことです。
口の周りの筋肉の活性化とともに、喉の奥に下がった舌を正常な位置(上顎の前歯の裏)へ戻してくれるので、自然と鼻呼吸を促してくれます。
回数としては、1日30回を目安に取り組んでみてください。
食事前に「あいうべ体操」を取り入れるとより効果的なので、 病棟スタッフと協力しながらアプローチしていきましょう。
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