日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.414 【プロトコル通りにアプローチして安心してはいけない】肩関節疾患に関するQ&A

質問

プロトコル通りに自動運動を始めたときに、全然肩関節の挙上ができない方がいて困ります。何か合併症を考えた方がよいでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

自動運動を始める前の準備が不十分だった可能性を考え、自動介助運動を取り入れることがお勧めです。

腱板損傷後のプロトコルでは、他動運動と自動運動の開始時期が示されていると思います。ポイントは、他動運動の期間は他動だけで終わってはいけないということです。腱板損傷で修復腱に不安定がある場合は、数週間自動運動が制限されることがありますが、数週間安静にした後に、いきなり自動運動を行って力がスムーズに入るわけがありません。

そこで、他動運動の時期に自動介助運動を取り入れましょう。自動介助運動を取り入れることで、段階的に自動運動の要素を入れることができ、スムーズに自動運動に移行できることが期待できます。医師と相談の上、他動運動の時期に自動介助運動を導入できるか、検討してみてください。