質問
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の落とし穴として、 貧血の人はSpO2が100%でも安心できないと説明がありました。 その時PaO2は下がっているのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
SpO2 (SaO2)は動脈血酸素飽和度で、ヘモグロビンの手に結合している酸素 (O2) の割合を診るものです。基本的にはこの経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の値は、動脈血酸素分圧(PaO2)と相関があり、酸素化の指標として代用されています。しかし貧血の場合には、ヘモグロビンに高い割合で酸素が結合してSpO2が正常値を示していても、ヘモグロビンの量が少ないため、組織は低酸素状態となるので注意が必要です。
ご質問の貧血時のPaO2に関しては、ヘモグロビンが少ない=血液中の酸素が少ないため動脈血酸素分圧は下がります。よって貧血時には息切れを呈するわけです。しかし、酸素療法を行っても改善は得られません。輸血療法などヘモグロビンを増やさない限りこの息切れは改善しないわけです。
呼吸アセスメントにおいて、割合と分圧の違いを理解することは重要です。また、出来るだけ多くの臨床データに触れてみると、活かせる知識になりますので積極的に診てみてください。