質問
血糖コントロールが不良で低血糖発作を繰り返す患者さんの対応はどうすればいいですか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
食後1時間を目安に離床を行いましょう。血糖コントロール不良で低血糖発作を繰り返す患者さんに対して、空腹時の離床や負荷量の高い運動はリスクとなります。 ブドウ糖は離床をして活動する上で重要なエネルギー源なので、それが枯渇している状況では離床は負荷となります。
また、血糖コントロールが不良の状態で離床を進めることは、低血糖症状を起こすほかブドウ糖に代わって脂質をエネルギーとして無理に活動することになり、代謝性アシドーシスを悪化するリスクもあります。血糖降下薬を使用している場合は、薬の種類によりますが食後1時間後がもっとも血糖が安定しているので、この時間に介入しましょう。
離床を進めた時に、低血糖症状(動悸、脱力感、頭痛、眩暈、冷や汗など)の出現、足や膝などの関節に異常をきたした場合は、低血糖発作を疑いすぐに離床を中止しましょう。 低血糖の初期には交感神経症状(脈拍増加、発汗、手や指の震えなど)が出現しますが、中には無自覚に症状が進行して気付いたら中枢神経症状へ移行していく場合があります。 症状のアセスメントも重要ですが、併せて血糖値の推移を普段からチェックしてみてください。
Tweet