日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.393 【酸素を増やせばOK?】SpO2が上がらないときに考えるべきこととは

質問

肺にシャントの病態がある患者さんのSpO2を上げるには、酸素投与では効果が乏しいと聞きました。どのように対応すればよいでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

離床を進めることと、人工呼吸器の設定を見直してみましょう。シャントとは肺胞に血流はあるが含気がない状態で、無気肺が代表例です。この状態で酸素投与量を増やしたとしても、酸素が肺胞に届かないためSpO2は上がりにくい状態にあります。このような時には、離床によって上体を起こすことによって、機能的残気量(FRC)が増加して、SpO2が上がる可能性があります。

FRCとは息を吐き終わった後における肺の含気量です。呼吸は「吸気の時間」よりも「呼気および呼気後の時間」の方が長いのが通常です。FRCが増加することによって、「呼気および呼気後の時間」における肺の含気量が増加し、より長い時間、多くの酸素が血液に拡散することになるため、SpO2上昇が期待されます。

もう一つは、人工呼吸器装着の設定の見直しです。人工呼吸器や非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を使用している患者さんでは、呼吸終末に陽圧をかけるPEEP圧を上げることで、酸素化の改善が期待できます。SpO2が低いから酸素投与でなんとかすると考えるのではなく、低酸素の原因をアセスメントして、対策を考えていきましょう。