日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.389 【違いを説明できますか?】酸素化のパラメータに関するQ&A

質問

酸素化をみる指標にP/F比とA-aCO2があると思いますが、どちらを参考にすればよいですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

呼吸状態が悪い患者さんでは、P/F比を参考にしましょう。

ご質問の通り、P/F比とA-aCO2はどちらも酸素化をみる指標ですが、少し見ている視点に違いがあります。P/F比は肺酸素化能の指標で、酸素濃度に対する肺の酸素化をみています。A-aDO2 は肺胞内の酸素が、動脈血にどのくらい移動できているかを表した数値です。

肺胞内の酸素が全て動脈血に移動できるのが理想ですが、肺胞や肺胞の周囲(間質)に問題が生じると、A-aDO2は開大します。A-aDO2は、吸入酸素濃度烏(FIO2)が低ければ問題ありませんが、高いと問題が出てきます。A-aDO2は、FIO2が上がるほど開大するという特徴があるのです。そのため、FIO2 0.6以上では、A-aDO2よりもP/F比を酸素化の指標とすることが望ましいとされています。臨床では、吸入酸素濃度によってみる指標を意識してみてください。