日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.375 【直腸の角度を読む!】トイレに座れない患者さんの排泄をどうすべきか

質問

直腸の解剖的特徴から臥位では排泄が難しく、トイレに座ったほうが排泄しやすいことがわかりましたが、トイレに座ることが難しい便秘の患者さんはどのようにすればよいでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

側臥位になって股関節・膝関節を屈曲して丸まった姿勢をとってもらいましょう。ご質問にあるように、直腸のアライメントを考えると、S状結腸から直腸の角度は約90度の角度があり、排泄しづらい角度になっています。

よく排泄しやすい姿勢をいわれる、前かがみに座った姿勢になると、直腸が約130度になった真っすぐのアライメントになるため、排泄しやすくなります。

座位がとれない患者さんであっても考え方は同じで、側臥位で膝を抱えるように股関節・膝関節を90度以上屈曲した姿勢をとると、図右のように直腸が真っすぐ伸びたアライメントになります。

ベッド上で排泄する心理的負担を考えると、トイレに座って排泄することがベストですが、循環が不安定など離床ができない場合は、側臥位で対応してみてください。