日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.366 【薬が効かない!?】便秘に関するQ&A

質問

便秘の患者さんには酸化マグネシウムがよく使用されますが、効果があまりみられない患者さんや注意すべき患者さんの特徴はありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

効果に関しては効果の発現時間を、注意すべき患者さんは高齢者と腎障害の方です。酸化マグネシウムは便秘の患者さんによく使用される、ポピュラーな薬剤です。酸化マグネシウムは腸内に入ると、腸内に水分を引き寄せて、便を増大して柔らかくする作用があります。硬い便を柔らかくして出しやすくすることと、便の容量が増すことで、間接的に腸の運動を促進する効果があります。刺激性の下剤とは異なり、酸化マグネシウムは非刺激性下剤なので、習慣性が少なく長期に使用できる点もメリットです。

ご質問にある「効果があまりみられない」ですが、この酸化マグネシウムは服用してから効果の発現に2日から3日かかる点がポイントです。下剤を使ったらその日のうちに出る、と思っていると効果がないと勘違いしているかもしれません。使用したタイミングを確認してみてください。

また、注意すべき副作用は高マグネシウム血症です。高齢者や腎障害があると、酸化マグネシウムによって体内に入ったマグネシウムが排泄できず、体内に蓄積して高マグネシウム血症になります。高マグネシウム血症は、血圧低下や高度になると心停止につながることがあるので、注意が必要です。リスクのある患者さんに使用されている場合は、血液データにも注意しましょう。