日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.354 【さらに離床は要注意!】静脈栄養に関するQ&A

質問

静脈栄養より経腸栄養を優先すべきということはわかりますが、静脈栄養が有効な場合はあるのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

静脈栄養は消化管が機能しておらず経腸栄養が不可能な場合か、経腸栄養を一時中止した方が治療上有効な場合に選択されます。静脈栄養には末梢静脈栄養(PPN)と、中心静脈栄養(TPN)の2種類があります。絶食期間が1週間から10日までは末梢静脈栄養が、絶食期間が1週間以上の時は中心静脈栄養が選択されます。

経腸栄養が不可能な場面としては、イレウスや消化管虚血といった消化管疾患がある場合で、これらの疾患により消化管が機能していない場合に静脈栄養を行います。裏を返せば、静脈栄養をされている患者さんは、栄養状態や全身状態が不良である可能性が高いということです。離床を進める際には、経腸栄養の患者さんよりも慎重に負荷を設定することが必要です。