質問
前十字靭帯損傷の術式とアプローチのポイントを教えてください。
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
前十字靭帯損傷に対する手術には、膝蓋腱を移植腱として使用するBTB法と、半腱様筋腱・薄筋を使用するSTG法の2つがあります。この術式によってアプローチポイントが変わります。
BTB法では膝蓋腱を移植することにより癒着が起こるため、膝蓋骨の動きが制限されます。膝蓋骨の動きが制限されると、膝関節の屈伸の制限が生じます。そのため、癒着による膝蓋骨の可動域制限を改善するため、膝蓋骨のモビライゼーションが有用です。
一方で、STG法では膝関節の屈筋の癒着が起こり、膝関節の伸展制限が生じます。膝関節の伸展制限に関しては、半腱様筋腱・薄筋のモビライゼーションや筋膜リリースを行なうことが有用です。
上記のように術式により問題点やアプローチポイントが異なりますので、介入前にアプローチ前に術式を確認するようにしましょう。
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