日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.346 【タオル2本で変わる!】離床中の姿勢を安定する工夫

質問

脳卒中で麻痺のある患者さんで、座位で離床時間を確保したいのですが、写真のように側屈して姿勢がすぐに崩れてしまいます。何かよい方法はありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

脳卒中による片麻痺があると、麻痺側に座位姿勢が崩れてくる患者さんは多くいますよね。タオル2本で解決してみましょう!

例えば、左側が麻痺側の場合、殿部の前方への滑りと体幹の側屈を予防するために、丸めたバスタオルを座面前方と麻痺側に設置すると安定します。座位の側方への崩れは、麻痺側股関節が外旋して骨盤が傾くために起こります。タオルを当てて、股関節が外旋しないように大転子を止めるイメージで入れると、姿勢が安定します。

注意点としては、タオルが当たる部位は圧が高くなるため褥瘡発生のリスクがあります。長時間の使用は避け、時々除圧するなどのケアは行うようにしてください。せっかく離床を進めても、悪い姿勢では患者さんは苦しさや痛みを感じ、離床に消極的になる可能性があります。安楽な姿勢で離床ができるよう、是非、試してみてください。