日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.303 【臀部に褥瘡が!】シーティングに関するQ&A

質問

既に仙骨・坐骨部に褥瘡がある患者さんは、座位への離床は避けたほうがよいでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

回答としては、体圧分散をしっかりすれば座位への離床は可能と考えます。ご質問にあるように、仙骨・坐骨に褥瘡がある方の座位への離床は悪化のリスクです。座位へすすめる条件として、「しっかり体圧分散すること」と「長時間座位を避ける」、この2点が重要と考えます。

「しっかり体圧分散すること」については、体圧分散性に優れるエアクッションの使用と、車椅子の背面・座面が傾く、ティルトリクライニング車椅子の使用をお勧めします。特に、ティルトリクライニング車椅子を使用することで、背中・肘・足に圧力を分散できるので、このケースに有用です。

「長時間座位を避ける」については、離床スケジュールを病棟スタッフと共有・実践することで、長時間の座りっぱなしを回避することが重要です。環境と離床時間を工夫して、褥瘡をケアしながら、離床も進めていけるとよいですね、。