日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.3 各種ラインの装着時における離床について

質問

スワンガンツカテーテルや末梢動脈ラインが挿入されている状態で離床する場合には何を注意すべきですか?また、離床によって表示される数値が変化しますが、正確な値でしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

どのような機器が接続されていても、まず最初に考えていただきたいことは、何故、その機器が接続されているか、という原因についてです。スワンガンツカテーテルが挿入されているのであれば、心機能をしっかりモニタリングしなければならない深刻な状況にある、ということを認識して離床させるか否か考えなくてはなりません。その上で、離床可能と判断されたら、患者さんのライン刺入部と点滴台等の固定位置が相対的に離れることによる抜去や破損に注意する必要があります。離床を行う前に各ライン類の長さを十分確保するよう準備しておきます。次に数値の正確性についてですが、スワンガンツカテーテルは位置ずれがない限り、姿勢を変化させたことで正確な数値が表示されなくなるということは考えられません。姿勢の変化によって静脈の還流量などが変化し数値に影響を与えることは考えられますが、数値が正確でない、ということではないのです。一方、中心静脈ラインや末梢動脈ラインは患者さんとの位置関係で圧が変化します。このため、離床で姿勢を変化させる度に設定しなおすか、一度実測で血圧を測定し、表示されている圧とどのくらい差があるかを認識した上で離床を行う必要があります。