日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.244 【ポイントは2つ!DVTの超音波所見に関するQ&A】

質問

深部静脈血栓症(DVT)が超音波検査で見つかった場合、注意すべき所見があれば教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

超音波検査の血栓の有無だけではなく、“どのような血栓”かを確認することは重要です。ポイントは2つ、「血栓の部位」と「血栓の形態」です。

まず、「血栓の部位」は中枢型(大腿から膝まで)と遠位型(下腿)に分けられ、血管の太い中枢型血栓の方が、血栓が大きくなるためリスクが高いため要注意です。

次に「血栓の形態」は、閉塞型、非閉塞型、浮遊型に分けられ、このうち浮遊血栓は、肺塞栓症の合併率が約30%と高率であるため注意が必要です。

最近では、DVTが認められても離床を制限しないケースもありますが、DVTの部位と形態によってリスクが異なるので、超音波の所見にも注目して、リスク管理の質を高めるようにしてみてください。