日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.231 【目標設定5つのポイント】SMARTという考え方

質問

患者さんの目標設定をするときにの「SMART」という考え方が参考になりました。ただ、5つのポイント全てを網羅するのは大変だと感じたのですが、特に大事なポイントがあればおしえてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

目標設定の「SMART」とは、目標設定の指標のことです。

Specific(具体的に)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Related(目標に関連した)、Time-bound(期間に見合った)の頭文字をとったもので、目標設定の際に、これらのことを考えることが重要といわれています。

この中で特に重要だと考えるのは、ズバリ、Tの「期間に見合った」です。つまり、その“目標をいつまでに達成するか”ということで、これは、患者さんの目標もそうですが、自分自身や職場のチームの目標としても重要です。なぜ重要かというと、目標はよく立てると思いますが、“いつまでに”というのがぼやけていることが多いからです。患者さんの目標を、期間を意識して設定するためには、「予後予測」がキーワードになります。

入院時の機能がこれくらいだから、3カ月後にはこれくらいになるはずだ。だから、1カ月後のADLはここまでできるようになっていなければならないな。というように、予後予測ができると逆算して考えることができるので、先行研究や経験、アセスメントをもとに「期間に見合った」目標設定を立ててみてください。