日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.211 【意外と載っていない説明を丁寧に!】酸素デバイスに関するQ&A

質問

当院では、酸素流量計の最大値が15L/分までしかありません。インスピロンネブライザーは30L/分以上の酸素を必要とする高流量システムですが、どう設定すればよいのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

よくある質問ですが、設定について詳しく紹介されていないことが多いですよね、解説していきます。

酸素流量計の最大値はどの病院でも15L/分までが一般的です。インスピロンネブライザーは30L/分以上流さないと、吸入酸素濃度を正確に投与することができないので、周囲の空気を吸って補うことで、高流量システムと位置づけられています。

表を見てください。黄色部分が、空気を吸って補われた酸素が、この機器を正確に使うために必要な30L/分になる投与流量です。設定時には、まず、設定したい酸素濃度を決めます(①)。

次に、その濃度で、黄色になる部分を探します。例えば50%で投与したいと考えた場合に、黄色で示された最初の場所は32.7のセルになります。目を上方に移動して「酸素流量」を見てみると、50%で32.7となるのは、12L/分となります(②)。

これは、12L/分の酸素を流せば、空気を補って患者さんに32.7L/分が投与され、結果的に酸素濃度は50%になる、ということを示しています。

表をみてわかるように、インスピロンネブライザーで高流量システムとして使用できるのは50%酸素濃度までで、それ以上の酸素濃度が必要な場合は、高流量鼻カニュラが適応となります。

患者さんの状況に合わせて使い分けられるようにしてみてください。