日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.21 肺うっ血時のHead up効果について

質問

肺うっ血がある場合その症状軽減のため、ある程度持続的にHead upを行うことは意味がありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

心不全の状態で背臥位をとると、右心系への静脈還流の増加、これによる肺血流の増加から、肺うっ血,肺コンプライアンスの減少をきたし,呼吸仕事量の増大を招きます。
これらに変化はHead upで軽減するため、心不全(肺うっ血)に対する治療効果を待つまで、コメディカルができる有用な治療だと考えられます。
どのくらい持続的にHead upを行うかは、まず30分程度から開始し苦痛が無ければ漸増させていけばよいでしよう。本人に苦痛が伴わなければ、治療効果として背臥位に戻しても自覚症状の増悪がみられないようになるまで、間歇的に継続してよいと思います。持続的Head upの体位はズレや摩擦、体動制限による褥瘡発生のリスクも伴いますのでリスク管理も忘れずに行ってください。