質問
関節拘縮のお話の中で、治る可能性のある拘縮は最終域がソフト、治る可能性が低い拘縮は最終域がハードとありましたがイメージがつきません。ソフトとハードとはどのような感触なのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
確かに実際触ってみないと想像がつかないですよね。
実例を交えてお伝えします。
まず最終域とは、関節を動かして抵抗を感じた角度のことを指していて、このときの感触がソフトかハードかを見極めることが大切です。
まずソフトな感触は、ゴムを伸ばしたときのような弾力があります。例えばアキレス腱を伸ばしたときや、長座位で前屈したときがこのような感触で、主に筋肉の伸張による抵抗なのでソフトに感じます。このときは、痛みの出ない程度に伸張することで、可動域は改善する可能性があります。
一方でハードな感触は、革のベルトを引っ張ったときのような感じで、「これ以上伸びない」硬さを感じる感触です。例えば、指を思いっきり手背側へ反らしたときの感触などで、主に靭帯の伸張による硬さです。
このような硬さを感じる場合には、関節自体の障害で可動域制限を生じていると考えられるため、無理に動かすと、関節を傷つける可能性があるので、動かせる範囲をゆっくり動かし、これ以上制限を作らないことが目標になります。
最終域の感触は実際触って、身体で覚えるのが一番です。ソフト・ハードを意識しながら、数多くの関節に触れて、「経験知」を増やしてみてください。
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