日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.167 【意識障害で眼球のアセスメントが難しい!】そんなときのひとワザとは

質問

意識障害の際の、眼球の見方が難しい場合があります。観察するたびに偏移していたり、正中に戻っている場合がありますが、どのように判断したらよいでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

意識障害があると、命令に応じることが難しいので眼球運動の評価に迷いますよね。
そのような時は、「人形の眼」現象の活用がお勧めです!
患者さんの頭元に立ち、頭を素早く左右に向けてみると、正常であれば、眼球はその運動方向と反対方向に向きます(人形の目のように正面を見ようとする)。
異常の場合には、頭を向けた方に眼球もついていき、頭の向きと同じ方向を見ているように見えます。この場合は、脳幹や中脳の障害を示唆すると言われています。

他動的に頭部を動かす「人形の眼」試験において、人形の眼のように正面を向けない場合には、緊急性が高い脳幹病変の可能性を疑い、すぐに報告するようにしましょう。ただし、頚髄損傷が疑われる場合にはこの評価方法は避けなければならないので、注意して実施してみてください。